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20240703
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僕らのファミリーキャンプ物語 vol.5 『ミホの魔法のミートボール』

梅雨明けの爽やかな週末、澄んだ青空の下、私たち家族4人は再びキャンプ場へと向かいました。

車内は期待と興奮で満ちています。今回のキャンプは特別な意味を持っていました。

5歳のミホが初めてキャンプ料理に挑戦するのです。

キャンプ場に到着すると、お父さんは最新のエアーテントを手際よく設営。

「わぁ、あっという間にできちゃった!」とタカシが驚きの声を上げます。

その間、お母さんはタカシと一緒に、環境に優しい着火剤を使って楽々と火をおこしました。

ミホは真剣な表情で子供向けキャンプクッキング本を見つめています。

「ミホちゃん、今日は何を作るの?」

とお母さんが優しく問いかけると、

「うん、今日は”魔法のミートボール”を作るんだ!」

とミホは目を輝かせて答えました。

準備を始めたミホ。

新鮮な食材が詰まったクーラーボックスから材料を取り出します。

最初の難関は玉ねぎのみじん切り。

お父さんが子供用の安全キッチンツールセットを取り出し、ミホに手渡します。

「これなら安全に料理できるよ。一緒にやってみよう」

とお父さんが優しく指導します。ミホは慎重に、でも楽しそうに玉ねぎを刻んでいきます。

お母さんも安心して見守っています。

次に、ミホはレシピを見ながら調味料を計量カップで正確に量り、ミートボールのソースを作ります。

「ミホちゃん、上手だね!」とタカシが声をかけ、家族みんなで応援します。

お肉と他の材料を混ぜ合わせる時も、清潔なディスポーザブル手袋を使って衛生的に。

形は少し不揃いですが、ミホは一生懸命に丸めていきます。

「あんまり形がキレイじゃないけど、これでいいのかな?」

と少し心配そうなミホに、お母さんが

「大丈夫よ、ミホちゃんの愛情がたっぷり詰まってるから、きっと美味しくなるわ」

と優しく微笑みかけました。

ミートボールを焼くのは、お父さんとの共同作業。

アウトドア用の便利なグリルプレートを使って、二人で楽しそうに焼いていきます。

程なくして、香ばしい良い匂いが漂ってきました。

完成したミートボールを、家族みんなで一口ずつ頬張ります。

その瞬間、全員の顔が輝きました。

「うわぁ、これ本当に美味しいよ!」お父さんが感嘆の声を上げます。

「ほんとだ!奇跡の料理だね!」タカシも大きな笑顔で賛同します。

ミホは少し照れくさそうでしたが、その目は誇らしげに輝いていました。

自分で作った料理が家族に喜ばれる、その喜びがミホの小さな胸いっぱいに広がります。

夕暮れ時、家族は快適なキャンプチェアに座り、暖かな焚き火を囲みました。

星空の下、笑顔で語り合う家族の姿に、幸せな空気が漂います。

「ミホちゃんのおかげで、最高の思い出ができたね」

とお父さんが言うと、みんなが頷きました。

ミホの初めてのキャンプ料理は、家族の絆を一層深める魔法のレシピとなったのです。

テントに入る前、ミホは空を見上げて小さくつぶやきました。

「次は、もっと素敵な料理を作るんだ…」

その夜、心地よい疲れと幸せな気持ちに包まれながら、家族はぐっすりと眠りにつきました。

翌朝には、新たな冒険が待っています。

キャンプならではの思い出と、家族の絆の強さを実感した、かけがえのない時間となりました。

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