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20250706
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ファミキャンのススメ vol.24 子どもの「なぜ?」を育てる ―― 自然観察キャンプのススメ

こんにちは、M.W.M です!

今回は 自然観察 をテーマに、親子で五感をフル稼働させるキャンプの楽しみ方をご紹介します。


1. 自然観察キャンプがもたらす 3 つのメリット

  • 好奇心が伸びる
    「これは何の虫?」「どうして木の皮がボロボロ?」──質問が止まらない!

  • 五感で学べる
    見る・聞く・嗅ぐ・触る・味わう。本物の体験は記憶に深く刻まれます。

  • 親子の会話が増える
    図鑑を一緒に開き「これかな?」と推理する時間は最高のコミュニケーション。


2. 準備:ギアと下ごしらえ

〈観察用〉

  • 双眼鏡(倍率 6〜8 倍)

  • 虫眼鏡/ルーペ付きペンライト

    • 軽さを最優先:子どもの小さな手でも扱いやすいものを選ぶ

〈記録用〉

  • フィールドノート(撥水紙がおすすめ)

  • 折れにくい鉛筆+色鉛筆 3 色

〈安全用〉

  • 軍手・帽子・長袖長ズボン

  • 虫除けスプレー

    • 裾は靴下にイン:マダニ対策はこれが鉄則

〈便利アイテム〉

  • 折りたたみ座布団

  • オフライン対応の図鑑アプリ

★ 家で仕込むこと

  1. ノートの先頭に「見つけたい生き物リスト」を書く

  2. ポリ袋と洗濯ネットを用意し、葉っぱや木の実を安全に持ち帰る準備をする


3. 1 日モデルタイムテーブル

06:00 早朝バードウォッチング

 鳥は朝が最も活動的。鳴き声の違いで種類当てクイズ

08:00 朝ごはん & 計画ミーティング

 今日の目標をノートに記入:「○種類の虫を見つける!」

10:00 水辺の昆虫&植物観察

 水面に映る影を観察する“影絵採集”が盛り上がる

12:00 ランチ & スケッチタイム

 採取した葉や花をトレーシングして自分だけの図鑑作り

14:00 森林散策・樹皮タッチ

 “触感ゲーム”で木の種類を当ててみよう

17:00 サイトに戻って標本整理

 名前がわからないものは付箋で「あとで調べる」へ分類

20:00 星座観察 & ナイトハイク

 北極星を探して方角感覚を体験で身につける


4. 年齢別アクティビティ

■ 幼児(3〜6 歳)

  1. 色探しビンゴ

    • やり方:赤・黄・緑など9色を3×3マスに並べた紙を渡し、色と同じ自然物(花・葉・石など)を探してマスを塗りつぶす。

    • ねらい:色彩感覚と観察眼を鍛え、「見つけた!」という達成感を味わえる。

  2. “お家ウォッチ”スケッチ

    • やり方:アリの巣口やクモの巣を2〜3m離れてじっくり観察し、ノートに“お家の形”をクレヨンで描く。

    • ねらい:危険生物に近づきすぎず、生き物の暮らしに興味を持たせる。


■ 小学生(7〜12 歳)

  1. フィールド謎解き ― 落ち葉の穴の犯人さがし

    • やり方:穴あき落ち葉を拾い、図鑑の写真と照合。「○○ムシの食痕」などシールを貼って正解を記録。

    • ねらい:推理ゲーム感覚で“食物連鎖”の入口を学ぶ。

  2. 川水ミニ調査隊

    • やり方:ペットボトルに水を採取し、①透明度(文字が読める距離)②匂い③水温をノートに記録。

    • ねらい:水質と生き物の関係を実感し、環境意識を高める。


■ 中学生以上

  1. 生態ピラミッドづくり

    • やり方:観察した動植物を「植物→草食→肉食」の三層で並べ、矢印で“食べる・食べられる”関係を図示。

    • ねらい:エコシステム全体を俯瞰し、循環の仕組みを理解する。

  2. スマホマクロで“超接写”投稿

    • やり方:100 円ショップのマクロレンズをスマホに装着し、昆虫の複眼などを拡大撮影。キャプションに発見ポイントを書いて SNS へ。

    • ねらい:最新デジタルツール×自然観察でアウトプット力と探究心を伸ばす。


ポイント:どの年齢でも「できたね!」とすぐ声を掛けると学びが深まり、次のステップに挑戦する意欲がアップします。


5. “観察シート”の書き方


▼ 記入例

  • 観察日:2025/7/12(土)

  • 場所:○○キャンプ場 第3サイト

  • 天気:晴れ/気温 26 ℃/湿度 55 %


見つけたものリスト

  1. オオルリ(青い小鳥)

    • 観察メモ:澄んださえずり、枝から枝へ素早く移動

    • 感じたこと:歌声がきれいで森が一気に明るく感じた

  2. アキアカネ(赤とんぼ)

    • 観察メモ:尾が鮮やかな赤、頭上をゆっくり旋回

    • 感じたこと:指を差し出すとそっと止まり、ドキドキした

  3. シロツメクサ(三つ葉)

    • 観察メモ:日当たりの良い草地に群生、甘い香り

    • 感じたこと:四つ葉を探したくて夢中になった

※ 写真を撮ったら番号を振り、ノートの該当行にリンクさせると後で整理しやすい。

6. 安全とマナー

  1. 採集ルール厳守:国立公園や保護区は「見るだけ」が基本

  2. 危険生物の予習:スズメバチ・ウルシ・トリカブトなどを事前共有

  3. 歩くときの隊列:大人(先頭)→子ども→大人(しんがり)

  4. Leave No Trace:石をめくったら元に戻す、“借りたら返す”を徹底


7. まとめ ―― “わかった瞬間”が宝物になる

自然観察は特別なスキル不要。

大切なのは 「一緒に驚く姿勢」 だけです。

「わかった!」と目を輝かせる我が子の横顔は、一生ものの思い出。

双眼鏡とノートを持って、次の週末は自分たちの図鑑を作りに出かけませんか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、キャンプ場でお会いしましょう。

今、一生残る思い出を。M.W.M でした!


※本記事は 2025 年 7月6日時点の情報です。採集や立ち入り制限のある区域では必ず現地ルールに従ってください。

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